美容室で必ず起こってしまうものといえば、お客様からの「クレーム」。
「クレーム」が原因で
・美容師さんはお店を辞めてしまう人もいる
・お客様はお店を変えてしまう人もいる
お客様にとっても、美容師にとっても辛いものとなっています。
今回はこの「クレーム」に関して、美容師さん向けに
「クレームや返金を圧倒的に減らす5つの方法と考え方」を徹底的に書いていきたいと思います。
ちなみに私は美容室の店舗マネージャーを10年経験。
クレーム対応や返金を数えきれないくらい経験し、その度にスタッフへの指導も行ってきました。
この記事を読んだ後には、あなたはクレームや返金を圧倒的に減らせる人になっているので
楽しみながら読んで頂ければと思います。
目次
よくあるクレームランキングTop5
この記事を読んでいるあなたは美容師だと思いますので、大体どんな「クレーム」があるか知っていると
思いますが、おさらいも含めて「よくあるクレームランキングTop5」を一緒に確認していきたいと思います。
1位:技術面のクレーム
これはどの店舗でも間違いなく1位の項目ですね。
技術のクレームというのは
・切り過ぎた(カットがイメージと違う)
・カラーが想像していた色と違った
・縮毛矯正がかかっていない
・パーマがイメージと違った 等々
挙げればきりがない程出てきますので、これくらいにしておきますが、要するに
「お客様の完成イメージ=美容師の施術した完成形」が=になっていない時に起こる結果ですね。
2位:接客面のクレーム
続いて接客面でのクレームに関してですが、こちらに関してはこんな感じのクレームが多いです。
・言葉遣いが悪かった
・自分(お客様)が気にしている事を遠慮もなく、他のお客様にも聞こえるレベルで話された
・会話内容がセクハラじみた内容で不快だった
・自分が理想としているスタイルを否定されて、美容師が一方的に提案した内容をごり押ししてきた
等々…
この文書を書いている私が悲しくなるくらいの内容が結構多かったりします。
正直ここに関してのクレームは、技術的な面より改善する事が難しい項目となってくるので、要注意項目ですね。
3位:待ち時間
「待ち時間」ここは結構以外に思った方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず。この「待ち時間」に関してのクレームを直接言われる事は少ないからです。では、なぜランキングに入っているかというと…
「口コミ」です。
某集客サイトや、マップ掲載されている所には、お客様が各サロンに口コミを投稿する事が出来ますよね!?
そこに圧倒的に書かれる割合が高いクレームが「待ち時間」に関してです。
ここに書かれてしまうと他のお客様にも見られてしまうので、集客に直接的に影響が出ますし、求人を出しているサロンだと
オペレーションがうまくいってないのでは?と判断されてしまう要因にもなるので、かなり痛手となります。
4位:認識の違い(料金)
第4位に挙がっている「認識」の違いに関しては、主に「料金」の相違が挙げられます。
施術する際
・キチンとお客様に料金を提示出来ていない
・曖昧な説明で終わっていた
・追加メニューに関して案内していなかった
・金額を間違えて伝えていて、会計時にそれが発覚した
等々
こういった事例が多く、お客様に正確に説明出来ていない事が多いです。この原因に関しては、一つ一つの動作や、声かけが不足している事が原因として多いです。
5位:予約に関して(電話応対含む)
予約に関しては下記事例が多く、第5位にランクインしています。
・予約日時の取り間違え
・予約時間よりかなり遅れて案内してしまった(待ち時間と同じ認識)
・予約変更が出来ない
・キャンセル料金が発生する(サロンによって異なる)
・予約の優先順位(案内順番)の間違い
こういった事例が多く、どれもサロン側に非があるケースが多く挙げられます。
ここまでTop5のクレームを確認してきましたが、いかがでしたでしょうか?
皆さんのサロンでも日々起きているクレームに該当する項目が多かったのではないでしょうか?
今挙がっているTop5には共通点があります。
その共通点を確認しつつ、ここから「クレームや返金を圧倒的に減らす5つの方法と考え方」をお伝えさせて頂きます。
クレームや返金を減らす方法5選
声かけの回数を増やす
「声かけの回数を増やす」文字のままの通り、お客様に声かける回数を増やすという意味ですが、なんでもかんでも声をかければ良いという訳ではありません。
お客様の不安や不満になりそうな事を取り除く為に必要な「声かけ」の回数を増やすという意味です。
美容師にとっては一日に何人かいる中のお客様の一人ですが、お客様にとっては数カ月に1回の貴重な髪のメンテナンスの機会。
そんな時に流れ作業の様に、気遣いがない接客をされたらそれは不満に繋がりやすくなりますし、クレームにも繋がります。
例えばあなたがジェットコースターに乗る時に、スタッフの人に何も言われず、安全確認の説明もないままジェットコースターが動き出したらどうですか?
怖すぎませんか!?状況としてはそれと一緒です。
発車する前に
・安全確認の説明をして欲しい
・乗り物に関しての注意点を教えて欲しい
・こんな人は事前にこのジェットコースターには乗れませんが大丈夫ですか?
事細かく確認があってから、よしこれなら大丈夫とジェットコースターに乗ると思います。
その状況を、美容室でもお客様にしてあげる気持ちで接客してみて下さい。
段差がされば「段差がありますのでお気をつけ下さい」とか
お客様が寒そうにしていたら「ひざ掛けや空調の調整をしましょうか?」とか
長時間座っていたら、一旦「お手洗いは大丈夫ですか?今なら大丈夫ですよ」とか
こんな些細な気遣いがクレームを回避するポイントになるのです。
今日からでも大丈夫です。
お客様を「あなたにとって大切な人をエスコートする」くらいの気持ちで接してみて下さい。
今クレームが多くて悩んでいる方は、きっとクレームの数が減るはずです。
もしくはクレームの種類が変わってくるはずです。
お客様の前でパフォーマンスとしてメモを取る(姿を見せる)
これは少し難易度が高くなるかもしれませんが、もし出来たらクレームや返金の数は圧倒的に少なくなります。
具体的になにをするかと言いますと
カウンセリングの際にバインダー、もしくはタブレットを使ってお客様と話した内容や展開図でメモを取ったりするという事です。
また最近では、ipadを使ってカルテ代わりにメモを取る事も容易に出来る時代になりました。
お客様の目の前で「メモを取る」この行為をしているだけで、もしお客様がなにか不満に感じて美容院に連絡してきた際も、心理としては
「そういえばメモ取ってくれてたから、あまり強く言って間違ってたら悪いな~」
みたいな心理が少しは働きやすいので、大きなトラブルになるケースが少なくなります。
さらに、メモを取っている姿はお客様から見ても真摯に対応してくれているんだと感じてもらいやすい行為でもあるので、誠実さが伝わりやすくなる行為でもあります。
また、キチンとそのメモを残して管理することが出来れば、施術内容をキチンと振り返るツールにもなるので一石二鳥ですね。
Ipadであれば、ネット上でお客様と画像検索しながらイメージの擦り合わせなんかも出来たりもするので、満足度向上にも繋がります。
写真を撮る
この「写真を撮る」行為に関してですが、行う場合はお客様の同意の元行いましょう。
お客様に伝える理由も簡単で「施術前と施術後の違いをカルテに残しておきたいので撮影してもよろしいでしょうか?」これだけです。
では、なぜ写真を撮るのか?
これもメモと同様ですが、クレームを防ぐ為の証拠になるからですね。
「証拠」という言い方が正解か分かりませんが、施術した結果の違いが記録として残っていると
・染まっていない
・ここが切れていない
といった施術内容に関してのクレームが来にくくなります。また、逆に施術の記録を残しておいて次回来店された際にお客様と振り返る事が出来れば、お客様の満足度向上にも繋がりやすくなります。
こういった面からも「写真を撮る」というのは、クレームを減らすという面においてもとても有効的な手段になります。
施術状況を説明して、次に何をするか説明する
ここに関しては「声かけ」と近しい内容になりますが、少し具体的な内容になります。
皆さんは施術を行うごとに「区切り」があると思います。
例えば
・カットが終わったから次はカラーの準備しよう
・カラー塗り終わったから、今からは放置時間に入ろう
とか
こんな感じで、施術毎に区切りがあると思います。
そのタイミングでお客様に次にあなたが何をしようとしているか伝えてあげて下さい。
それをする事によって、お客様に安心感が生まれます。
そしてその安心感がクレームや返金の抑制に繋がります。
アフターカウンセリングをしっかりする
アフターカウンセリングに関しては、取り入れているサロンやスタイリストが大多数だと思います。
ただ、そのアフターカウンセリングをどこまで丁寧にするか、どうやって行うかによって、クレームや返金の数は変わってきます。
例えば
・美容師が一方的に説明して終わる
・お客様の話や質問に全く答えない
こんなアフターカウンセリングをしていては意味がないです。
お客様と会話しながら丁寧に説明して、今後のセットの仕方やメンテナンスの仕方なども話しながら
お客様の要望に対してキチンと対応した、また工夫されているポイントなどを取り入れて話して下さい。
ここで改善点があれば、すぐにその場で修正する事も出来るので、後程のクレームになる事は少無くなります。
クレームや返金に対しての意識を変えれば、数が激減する理由
クレームは「お客様からの期待の裏返し」
クレームでサロンに連絡をくれるという事は、裏を返せば「お客様がまだあなたに期待している、改善してくれる」と思っているという事です。
なので、クレームを頂いたらその内容を真摯に受け止めて成長する糧にして下さい。
あなたが素敵なスタイリスト、アシスタントになる材料をくれているという事です。
クレームは「次があるという証拠」
上記内容と似ていますが、クレームをくれるという事は
・またサロンに行くから直して欲しい
・次回は同じミスをしないで欲しい
という要望と同じ事です。つまり、まだ挽回するチャンスが残っているという事です。
この「次」の機会を是非活かして下さい。
フリー客から指名に繋がる絶好の機会になっている可能性があります。
返金は「何が原因だったかを確認出来た勉強代」
返金が起きてしまった場合は、素直に諦めましょう!
ただ、諦めるというだけで終わってはいけません。
今回の返金に関しては
・何が原因で
・どんな対応をして
・何がお客様の気持ちを返金という結果にしてしまったのか
を振り返って考えましょう。
ここを考えないと返金というクレームはなくなるどころか同じミスを繰り返して永遠に減りません。
考えた結果、次は同じことをしてしまわないような対策案を1つでも考えましょう。
それを自分なりにでも取り組む事によって返金に対する変化が生まれてきます。
対処方法を全てやらなくてもいい。まずは自分の接客スタイルに合う項目だけ取り組むことが重要。
クレームや返金対応を全て入客の中に入れていく事は難しい。
今まで挙げてきた沢山のクレームや返金に対しての対処方法ですが、通常の入客で全てを行うのは不可能です。
まずはどれか一つだけでも試してみて下さい。
必ず変化が生まれるはずです。
また、一つ始めた事が習慣になって、意識しなくても出来るようになれば今度はまた次の対策方法を取り入れて下さい。
何事も全て一気にはできないのが人間です。
一つ一つ変わっていけばいいのです。
お客様に合わせた対策を取れれば問題は起こりにくい。
また、お客様のタイプも十人十色かと思います。
全てのお客様に対策案が当てはまるかと言われればそうではない事もあると思います。
その時はまず「お客様の気持ちになって考えてみる」ことから始めて下さい。
そこが起点となって、お客様に合わせた対応方法がきっと見つかるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回の内容でクレームや返金に対しての意識や対策方法が少しでも変わったり、理解して頂ければ幸いです。
最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
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