こんにちは！

メディアチームの南です！

今回は2月15日から始まる確定申告について、ではなく、その後にあるかもしれない「 税務調査 」について書きたいと思います！

実際まわりの美容師でも調査に入られた、と言う人はいますし、神話でも迷信でもなく、実際に、突然、電話がかかってきます（笑） 私も実は経験者で、かなり焦ったのをいまでも覚えています！ 今回はそんな経験に基づきつつ、税理士さんから教えてもらったことなども踏まえて、書きますので、楽しんで読んでもらいたいです。

今回はこんな方に読んでもらえたら嬉しいです！

・確定申告で攻めすぎて不安な美容師
・税務調査の電話がかかってきた美容師
・業務委託を始めたての美容師

１．税務調査って何？

税務調査とは、日本が企業や個人事業主に対して申告納税制度が採用されているため、虚偽がないか確認するために調査することを言います。

売上が小さいから税務調査が入らない、というわけではありません。ある美容室の本部に税務調査が入られた際に、全美容師の報酬の支払いデータを持っていきました。そのデータを基に売上を過少申告している美容師を狙い撃ちして調査を進めていたこともあるようで、どこから目を付けられるかわからない状況にあります。

また、調査には強制調査と任意調査があります。強制調査は悪質な虚偽報告の疑いのある場合に行われますが、一般人には滅多に実施されることはなく、基本は任意調査になります。ただし、任意と言っても調査中の質問に黙秘することは許されておらず、税務申告している以上は申告内容の説明責任は美容師側にあるので、スムーズな調査となるように準備が必要です。

２．税務調査の流れは？

私の体験をもとに記載しますね。

税務署の調査官から電話がかかってきます！

それも、突然。

ヘアショーを見に行っていたときにかかってきました。ショーの最中だったので、そのときは出ることはしなかったのですが、その後、電話番号を検索したら税務署だったので、恐る恐る電話をして名前を告げたら、「税務調査です。XX月XX日はご都合いかがでしょうか？」と聞かれました。

その際、何か間違ったかなとドキッとしたのを覚えています。

その後、「顧問税理士はいますか？」と聞かれ、「相談に乗ってもらっている人がいます」と答えると、「同席されますか？」と言われたので、「お願いしてみるので、その後に日程調整をする流れで良いですか？」となりました。

日程調整を行った末、凡そ1、2日程度で実施されます。私の場合は1日のみで、しかも4、5時間ほどで追えました。当日の内容は後半に記載しますが、事業内容のヒアリングの後、元帳をベースに気になる証憑（領収書や請求書等）の提示を求められ、もし当日用意できないと、後日提出するように指示されました。

私の場合、クリアファイルに領収書を月で分けていたのですが、一部PCやネット保管のものがあり、それを後日提出しました。

その後、税理士先生に依頼した方は、調査官と税理士先生とでやりとりが行われ、追加での必要書類などの提出や再確認事項についての質問などで何往復か行われ、終了しました。

もし税理士先生にお願いしていなかったら自分ですべて担当しないといけなくなるのですが、調査官の話している内容を理解するのも結構しんどいので、もし普段お願いしていない人だったとしても、調査ではどなたか先生に担当してもらう方が良いかと思います。

税理士先生からの連絡でもドキッとするのに、自分の携帯に調査官から直接電話が来ると思うと、結構心臓がやばいと思ったので、自分としては知っている先生にお願いできて本当に良かったと思いました！

調査が終わると、税務署内での手続きを終えた後に、追加で支払う税金／還付される税金があれば、その振込が行われて終わる流れです。

３．税務調査でみられる主なポイントは？

税理士先生にも教えてもらったことですが、一般的にこの辺りの内容を気にされているようですし、実際に調査官から聞かれたこともこういったことで、ヒアリングとして聞かれたこともそうですが、世間話、というか、休憩っぽいタイミングでさらっと確認されたこともありあります。

特に、趣味は休日の過ごし方を聞かれたときは、こちらの③～⑤のためだったように思います。

• 売上
• 減価償却費
• 飲食（接待交際費）
• 旅費交通費
• 趣味やプライベート
• 商品券や換金性の高いもの
• 家族給与
• 外注費やキックバック
• 事業割合が高い家賃や水道光熱費等

また、税理士先生に何度も言われたのが、「売上をごまかすことを税務署は最も嫌う」ということで、事業規模や実態の把握が狂うからのようです。

また、フリーランスと業務委託美容師などでも、しっかり実態を説明しないととんでもないことになりかねなかったりします。フリーランスの売上はお客様を施術した売上です。店販も売った金額が売上になります。ですが、業務委託は、美容室からもらったお金が売上です。例えば、指名のお客様を50％の歩合の場合は、施術売上が10,000円ならその人の報酬は5,000円で、業務委託美容師の売上（事業所得）は5,000円ということになります。

聞いた話では、美容室を運営している会社に税務調査が入り、売上（報酬）データをすべて持っていき、それをもとに業務委託美容師の申告した売上が少ない人を狙い撃ちして税務調査に入った、ということもあるようなので、会社に入った際は、そのデータを持たれている前提で対応した方が良いと思います。

あとの経費関係については、基本的にプライベートか事業か、使っていないのに使ったことにしているものはないか、を見極められることになります。

４．税務調査のための準備は？

税理士先生のアドバイスや私の経験をもとにかくと、とにもかくにも税理士先生を付けること！そのため、日程もすぐに決めない！日程を決めると、その中で先生を見つけて、対策してと時間がなく、正しく調査官に説明したり、領収書などを確認してもらうための準備ができなかったりする可能性があります。

逆にそれは調査官にも失礼かなと、、、

私の場合は、元帳を3年分印刷するのと、領収書を手元に用意しておくように言われました。また、税理士先生に対して、自分が確定申告する際に、疑問だったことや曖昧にしてしまっていたことはこのタイミングで確認するようにしておくと良いです。

税務調査は嘘や隠すようなことは罰金の可能性が出てくるので、真っ黒は黒で認める、グレーは認識の違いで正当性を主張してあとは判断に任せる、が原則だと思います。

ちなみに、あらぬ疑いをかけられ、白を黒にされそうな会話もありました。自分の中での税務の理解はあればあるほど良いです。私は、領収書があって名前も自分なのですが、支払いを代理で頼んでいた部分（もちろんその人にお金を渡してる）があって、すごく突っ込まれました。支払い実績がない、と。そもそもそれがダメなら現金払いもダメでしょうに笑

あと、領収書などでないものが多いと延長戦に突入の可能性もあるので、何度も調査官と税理士さんのやり取りが発生すると、最初見ていたところと異なるところが気になったりするみたいで、さっと調査してもらって、さっと終わるのが、調査官にとっても自分にとっても良いと思います！

５．税務調査当日の対応は？

先に述べた通り、まずは事業内容のヒアリングです。その際は、落ちついて、ゆっくり回答するのが良いです。慌てて話すと、余計なことをいったり、敢えて勘違いされてしまったりすることがあるからです。

また、話過ぎないことも大切で聞かれたことのみ簡潔に話すようにした方が良いです。沢山話すとごまかそうとしている印象を持たれてしまいます。そのため、自身のお仕事の実態と経費の必要性に集中して答えるように心がけてください。

あとは、ウソをつかないこと。黒を白だと言い張り続けると、印象はどんどん悪くなります。調査官も人間なので、怪しい人、隠す人、嘘をつく人には、容赦なくなります。調査機関も過去3年分から5年、7年と掘り下げられ、多くの追徴課税を支払うことになります。

むしろ黒は黒と認め、誠実に話し続けると、良い人の印象を与えることができるので、罰金などがなく、支払うべきものが支払われなかったとその期間の延滞金のみプラスで支払うくらいですむこともあるそうです。

ただし、誠実に回答していても、やはり認識の不一致が起きることもあるので要注意です。特に、仕事と関係ない質問（例えば、趣味や働き方など）については要注意で、不用意なことは言わない方が良いです。私は実際多くの美容師さんと飲んで人脈を作り、講習の講師に来てもらったりすることがあるのですが、その人脈づくりを遊びだと思われるのか、仕事の一環と思われるのかで大きく異なるので、「趣味は仕事で、飲食代も美容師さんとのネットワークづくりで、講習会の講師や一緒に働く仲間を見つけています」と答えて、事なきを得ました。

あとは、前に働いていた美容室にまだ自分の名前があって、売上を隠しているのではないかと言われました。

むしろ前に働いていた美容室に電話ででも確認して欲しい、と伝えて疑いは晴れましたが、、、調査官に疑われると、本当のことを話しているのに、何かちょっと緊張してうまく話せなかったので、自信を持って答えることも大切です笑

６．こんな美容師は対象にされやすい？

これも税理士先生に伺った内容ですが、こういう人は注意した方が良いです。といっても、たまたまそうなっている場合は、正しく説明すれば良いだけなので、問題ないはずです！

• 売上が少なすぎる
• 売上が多すぎる、
• 1000万円をやや下まわる、いったりきたりで課税事業者にならない
• 無申告の期間がある
• 長い期間税務調査に入られていない
• 一般的な職業イメージとかけ離れた経費の使い方がある
• 課税事業者になった年度に多額の消費税の還付申請がある

本当かは分かりませんが、税務署にはAIを使ってこういった内容の人を抽出するようなシステムがあるかもとのことで、嘘かもしれませんが、気を付けないとですね。。。

あとは、税務署は銀行の送金、出勤などの履歴は全て問い合わせて確認できるので、あやしいお金の動きはチェックされていると思った方が良いです。一説によると税務署にもノルマがあるという話も。。。

７．最悪何百万円も罰金取られるかも！？

罰金というと聞こえが悪いのですが、それに似たものとして、追徴課税というものがあります。追徴課税は、正しい税務申告や納付しなかったときに、追加で支払う税金のことで、大きくは4つあります。

① 過少申告加算税

過少申告加算税は、期限内までに納付した額が本来の納税額よりも少なかった場合に課される税金で、最大15%の税率がかかります。

② 無申告加算税

無申告加算税は、納税期限までに税務申告を行わなかった場合に課される税金で、最大30％の税率がかかるので、過少申告などよりも重い税率となっています。

過少申告加算税と無申告加算税は、税務調査前に自主的に申告した場合は軽減されたり、かからなかったりするので、心当たりのある方は早めの対処が肝心です！

③ 不納付加算税

不納付加算税は、源泉所得税を期限までに納付しなかった場合に課せられる税金で、税務署から指摘を受けた場合10％、指摘前だと5％に軽減されるので、こちらも心当たりのある方は早めに対処しましょう！

④ 重加算税

重加算税は、納税者が意図的に税額を少なく申告したり、無申告で脱税を試みたりしたなど、悪質な過少申告だと判断された場合に課される税金で、最大40％の税率が上記に足される形で課されます。

また、これとは別に、延滞税という期限内に税金を納めなかった場合に発生する税金もあります。

ということで、例えば、意図的に隠したと判断されて重加算税が7年分、その期間の延滞税もプラスで払うとなるととんでもないことになります。美容師さんでも150万円、300万円といった話を聴いたこともあります。

しかも、追徴課税は原則一括で1ヵ月以内に納付しなければならないので、本当に生活が一変する可能性がありますし、それで消費者金融などからお金を借りようものなら即死だと思います。

ということで、正しい確定申告と納税を続け、もし税務調査が入ったとしても誠実な対応を心がけるようにしましょう！！